まちのこと
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鉄輪の街に、世界へとひらく「穴」が現れる

アーティスト 目[mé]による新作《space Ⅱ》が別府・鉄輪で公開
別府を拠点に、まちとアートの関係を更新し続けてきた**別府プロジェクト**。
その活動のなかで、アーティスト 目[mé] による作品《space Ⅱ》が、鉄輪(かんなわ)の温泉街に登場します。
作品の舞台は、鉄輪らしい通り沿いに立つ一軒の民家。その2階部分にぽっかりと穿たれた「穴」の先には、岩窟(がんくつ)がひろがっています。
家が先にあったのか、岩窟が先に形成されたのか。私たちが無意識に信じてきた「順番」や「当たり前」が、静かに揺さぶられる風景です。
目[mé]は、この穴を「世界に開いた穴」と捉えています。
意味や知識、役割といったフィルターを一度外し、「ただそこに在るこの世界」と向き合ったとき、私たちは何を見るのか。
《space Ⅱ》は、鑑賞者にその問いをそっと手渡します。
外から眺めるだけでなく、「中に入る」体験へ
この作品の特徴は、外部から鑑賞するだけでなく、内部に入ることができる点にあります(※予約制)。
湯けむりをぼんやりと眺め、川の水音に耳を澄ませて過ごす時間。
鉄輪という場所に確かに居ながらも、ふと「ここではないどこか」へと連れ出されるような、不思議な感覚が立ち上がります。
鉄輪という土地がもつ、時間の層
《space Ⅱ》は、鉄輪エリアでのリサーチを経て着想されました。
鉄輪は、別府を代表する8つの温泉地「別府八湯」のひとつ。
至るところから立ちのぼる湯けむり、高温の温泉が噴き出す「地獄」の風景、そしてそれを治癒の場として再解釈してきた人々の営み。
この土地には、自然・人・時間が何層にも折り重なっています。
《space Ⅱ》は、その層のあいだに、そっと穴をあけるような存在です。
街の中にいながら、街の外へ出る。
そして、もう一度この街を見つめ直すための視点を、私たちに与えてくれます。
アーティストコメント
